ながと密着型文芸サークル「文武蘭-monburan-」
山口県長門市の青年たちが描く、地域密着型文芸振興Project。その名は文武蘭(もんぶらん)!
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山口新聞に「文武蘭物語」掲載!~後編~
2013年08月19日 (月) 02:58 | 編集
2013年5~6月に、山口新聞第3社会面「当流西流」コーナーで執筆を行った「文武蘭物語(全7回)」、今回は後編として第4~7回をお送りします(・∀・)


文武蘭物語④


 長門市を舞台に執筆を行おうとすると、どうしても「観光」を意識した情報発信の色が強くなります。文芸の魅力は、その多彩な活用方法にもあるとは思いますが、私は何より「今を刻むこと」に重きを置いて活動しています。
 私は、ある作品の一場面に、当時建替工事真っ盛りであった深川小学校を描きました。取材と称して訪れた昨年の一月、目の前には、解体されていく母校の姿があり。走りまわって注意された廊下を、鉄筋むき出しの断面から見る日が来るなんて。分かっていたのに、衝撃的でした。いつか私に子どもができたとき、「あれがお父さんの通っていた学校だよ」と言ってみせられないのが残念ですが、これが時代の流れというもの。形あるものはいつか壊れ、また形となっての繰り返しなのだと実感しました。
 ただ、私の描いた世界の中で、今も旧校舎の思い出は生き続けています。周辺の通学路の整備に伴い、消え去った青色のガードレールも、桜の木も書き綴りました。読書の際、人は必ずその世界に入り込む感覚を味わいます。そこで、こんな時代もあったなと思い出すきっかけとなれれば、これほど嬉しいことはありません。
 まだまだ、色々なことができるはず。誰かの役に立てるはず。ながと密着型文芸誌の可能性を、最大限に引き出すことが私たちの使命です。


文武蘭物語⑤


 春夏秋冬。年に四冊を発行したながと密着型文芸誌は、いずれも団内での配布にとどまり、自己完結の域を出ることはありませんでした。ただ紙とインクで構成されただけの冊子に、言いようのない達成感を覚える。書く魅力に取り憑かれ、物語を描き続けていく。それだけで十分、一見すると小難しさを感じるかもしれませんが、実際は引きこもっても成立してしまう趣味なのです。
 しかしそれでは、いつまでも団のテーマである「ながとの地に、文芸の風を」呼びこむことなんかできません。気がつけばもう1年、すべてを受け入れてくれる温かい仲間との空間から一歩踏み出す時です。最初の舞台は、4月20・21日と開催された「公民館まつり」に決め、私たちのすべてをさらけ出そうと作り上げた総集編。製本作業中は、いつも以上にこみあげる興奮と緊張感がありました。自身の文章が形となる、そして世に出る瞬間に訪れる、独特の感覚です。
はじめて出る外の世界が与えてくれるのは、やさしさなのか、厳しさなのか。傷つくことへの恐怖が体を巡り、簡単に夢の中へ逃げられないまつり前夜。それでも、朝日は必ずのぼります。迷いを振り切ろうと汗を流した会場設営が終わると、午前9時のアナウンスが響き。乗り越えなければならない、最初の壁を迎えたのです。


文武蘭物語⑥


 昨日までの不安は、遥か彼方へ消え去って。私たちの文芸誌は見事に完売。ただ、普通の文芸誌では、振り向いてもらえなかった可能性が高いのも事実。改めて「ながと密着」の強さを実感し、同時に自信を手に入れました。書き綴る言葉には、私のすべてをつぎこんでいます。これまで積み重ねてきた努力も相まって、受け入れられたことに感謝以上の感謝の念を覚え。本気で懸けてきたからこそ味わえる、至高の達成感に満たされ。文だけではない、本当に文武蘭となれた気がしました。
 しかし、手にとっていただいた方々の平均年齢は、見たところ私の両親よりも祖父母に近く。他の出展者も同様であり、どうしても将来へ繋がらないという声も耳に。
今の若い世代は、高校卒業と同時に市外県外へと飛んでいくのが常です。そこに目指すべきものがあり、故郷では手にできないというのなら何も言えません。それでも私は、才能を発揮する場に長門市を選んでくれる方が、1人でも増えてくれることを願っています。
私は文芸に特化していますが、こればかりは正解はありません。どんな形でも若者の事業は町に活気を与えてくれるはず。そして互いに意識し合い、高め合っていける関係がベスト。そんな好敵手の台頭、また文武蘭がその水準に達せられる未来を、心待ちにしています。


文武蘭物語⑦


 文武蘭は教えてくれました。夢を現実に描くには、強い思いと少しの衝動さえあればいい。脳内に浮かぶ数多の事業案は、決して叶わぬものではないと。
 この夏、私たちは県内のサークルを中心とした展示会兼交流企画「文武蘭会議」を開催し、また作品の公募企画「私の文武蘭」を始めます。市の中央公民館ロビーでは、高齢化社会を意識し、また適応するため、レイアウトにゆとりを持たせた読みやすさ重視の進化版文芸誌を展示しています。私の思い描く文武蘭の世界は、老若男女、読み手と書き手の垣根を越えてほしいのです。
気軽に作品や思いを披露し、互いに読み合い、創作意欲を刺激しあう。そんなベースを整備するのが私の仕事。この長門市を中心に、愛好家の輪を広げ。文芸のまち、みすゞの心を継ぐまちだと評される日を目指す。文芸活動と地域振興がぴたりと重なった瞬間が、最終到着地点と言えるでしょう。
ながと青年文芸団は、ようやく 2年目のシーズンを迎えたところ。文武蘭物語は、まだまだプロローグに過ぎません。はたして、どんなラストが待ち受けているのか。それは主人公である私たちにも分かりません。今は全力で書き綴り、駆け抜けるしかないのです。
 いつか、私の夢がすべて形となったとき。きっと吹いているはずです。ながとの地に、文芸の風が。

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